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コラム
革ジャンの「困った」をプロが解決

こんにちは!クリーニング師のマサトです。
今回は革ジャンのカビ予防や嫌な臭いの対策、シワ取りのコツから、天然皮革と合成皮革の見分け方まで。愛用の1着を長く着こなすために知っておきたい手入れの基本と疑問を分かりやすく解説します。
はじめに天然皮革と合成皮革の簡単な見分け方からです。
下の画像は革ジャンの裏地部分です、この箇所に革の縫い目があるものが天然皮革の革ジャンです。革ジャンは何枚もの革を縫い合わせてつくられており製造工程上この部分で革をあわせる為、容易に判別できます。

ここで合成皮革の注意点を2つご紹介します。合成皮革は主に布地にポリウレタン樹脂か塩化ビニール樹脂をのせてつくられます。
塩化ビニール樹脂を使った塩ビレザー(PVCレザー)はドライクリーニングで硬化する事故が見受けられまるので素材確認の注意が必要です。一時期、塩ビレザーは焼却時ダイオキシンを発生させる為、問題となっていましたが高温焼却でダイオキシン発生を抑え問題解決してからは、また流通が復活してきました。
また、ポリウレタン樹脂を使った衣類やソファーの耐用年数は高温多湿の日本では3年(欧米では8年)で加水分解が始まります、この耐用年数3年は生産時から数えてですので、購入して1年でも加水分解によるヒビ割れ・ベタ付きは起こりえるので生産日時の確認注意が必要です。
ご自宅のクローゼット環境は大丈夫ですか?ご自身の大切な革製品にカビは・・・?次にカビの予防と対処法です。
最近では1ヶ月以上も雨が続きましたが、カビには最高の環境となってしまいました。カビ菌は「温度20℃以上」「湿度60%以上」の環境で活発に繁殖し始め、湿度が70%を超えると急激に増殖します。
それでは予防対策です!
下の画像は町のクリーニング店が依頼する特殊クリーニング店(革製品等)の革製品保管室の画像です。室温15~18℃・湿度50~60%で設定されています。エアコンや外気を上手に使い、ここを目標にしてください。

革ジャンに付くカビの多くは白カビですが、革内部の脂肪が表面に浮き出てくる白い汚れもあります。判別方法は(硬く絞ったタオルで)拭き取れる白い汚れは主にカビや着用による塩吹きで、拭き取れない白い汚れは主に脂肪です。
汚れ対処法は拭き取れる汚れは皮革専用ケア商品(https://amzn.asia/d/098FcXKQ)等で洗浄・除菌・消臭出来ますし、拭き取れない脂肪汚れも短時間ドライヤーで脂肪を溶かせば綺麗に拭き取ることができます。
クローゼットから出した革ジャン(革アウター)のシワが気になり、外出時に着るのをやめた時ありませんか?
ご安心ください!クリーニング店に出さなくともご自宅で対処可能です!そもそも革は手で伸ばせば少し大きくなります。少しのシワは手で伸ばして重い本等を乗せれば対処できます。
では、シワだらけの革ジャン・コートの対処法のご紹介です。以前に本コラムでもご紹介させていただきましたが、もう一度おさらいさせていただきます。注意点は3つ、「アイロン温度設定は100~120℃」「スチーム(水蒸気)は使わない」「あて布(アイロン面と革ジャンの間に薄い布をかませる)をする」。
はじめての方は少し怖いかもしれませんが、この3つの注意点を守れば誰でも簡単に革ジャンのシワは取れます。先程ご紹介した特殊クリーニング店も全く同じ様にシワ取り処理をしています。

革ジャンに付いた臭いって気になりますよね?
タバコ臭・飲食臭・カビ臭・防虫剤臭等いろいろありますが、風通しの良い場所での陰干しで臭いはかなり軽減できます。それでもまだ臭いが気になる方には、革ジャンを洗濯機で丸洗いする選択肢もあります。(https://amzn.asia/d/08zlHq3G)クリーニング店に出すよりかなりコスパは良いと思います。
防虫剤が出てきましたので、ここで革ジャンと相性の悪い防虫剤・防湿剤のご紹介です。
下の表、パラジクロロベンゼン成分の防虫剤はプラスチック製品を変形させる為、合成皮革の革ジャンを縮ませるリスクがあり、縮んだ革ジャンは元には戻りません。また、塩化カルシウムの防湿剤は天然皮革の革タンパク質変性・硬化させる為(塩縮と言います)これも元には戻りません、革製品にはシリカゲルの防湿剤を選びましょう。
また、 意外と皆さんがご存じない【混ぜるな危険】の防虫剤についてです。ピレスロイド系以外の「パラジクロロベンゼン」「ナフタリン」「樟脳」は、2種類以上を同時に使うと化学反応を起こして溶け、衣類にシミを作るリスクがあります。防虫剤を購入時には裏面を見て必ず単一の成分で使いましょう。
| 成分名 | 特徴 | 主なメリット・注意点 |
| ピレスロイド系 | 現在最も主流の無臭タイプ。 | 匂いが服につかないため、すぐに着られます。他の防虫剤と併用可能なものが多いです。 |
| パラジクロロベンゼン | 揮発性が高く、強い化学臭がある。 | 効き目が早く強いのが特徴。プラスチック製品を変形させることがあります。 |
| ナフタリン | 効き目が穏やかで長持ちする。 | ひな人形や和服などの長期保管向き。独特の強い匂いがあります。 |
| 樟脳(カンフル) | クスノキから抽出または合成される。 | 伝統的な和服用の防虫剤。特有のすがすがしい香りがあります。 |
現在日本で流通する革アウターは(耐久性・王道の重厚感の)牛革と(ファッション性・着心地重視)の羊皮が各々40%位で全体の75~80%を占め、その他の革はヤギ革8~10%・豚革5%・馬革3%と推移します。
昔買った革ジャン・人から譲り受けた革コート等のタグが薄れたり、無かったりしてご自分の天然皮革の革ジャン(革アウター)の革の種類が分からなくなった方もいらっしゃると思います。
そんな困った時の革判別の解説です。これからの季節に活躍するご自分の革アウターは、何の革なのかを下記のフローチャートを使って判別してみてください。
~革素材を見分ける簡単フローチャート~
[毛穴・表面のチェック]
・3つ組みの毛穴が目立つ ───> 豚革(ピッグスキン)
・毛穴が目立たない・細かめ
↓
[手で持った時の感触]
・ 軽くてフワッと柔らかい ──> 羊革(シープ/ラムスキン)
・ 薄くて軽いのに張りがある ──> 山羊革(ゴートスキン)
・ 厚みがあって硬い・重い
↓
・クセがなく均一な質感 ───> 牛革(ステア/カウハイド)
・ツヤがありハリが強い ───> 馬革(ホースハイド)
革ジャンは、独特のカビや臭い、硬さといった「困った」がつきものですが、正しいケアさえ知っていれば決して怖くありません。むしろ、それらのトラブルを一つずつ乗り越えて手入れを重ねる時間こそが、革を自分の身体に馴染ませる醍醐味と言えます。
手をかけた分だけ味わいが増し、世界に一着だけの相棒へと育っていくのが革ジャンの魅力。ぜひ日頃のメンテナンスを楽しみながら、あなただけのレザーライフを満喫してください。





