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ゴルフグローブのお手入れ方法──天然皮革と合成皮革、最適なケアを伝授

ゴルフを楽しむうえで意外と見落としがちなアイテムが「グローブ」。汚れたまま使うと滑りやフィット感が損なわれるだけでなく、雑菌や汗ジミによる劣化が早まったり、嫌な臭いが発生したりします。

しかし一口に“洗濯”と言っても、天然皮革と合成皮革(合皮)では適切な手順が異なります。

天然皮革グローブは水分・洗剤で硬化やひび割れを起こしやすいので「乾拭き→部分泡洗浄→陰干し+保革」が基本。

一方、合成皮革は耐水性が高いため「軽い手洗い→しっかり乾燥→表面コーティング」でOKです。

この記事では、両素材別に「なぜその手順が必要か」を理由とともに解説し、実際に失敗しないコツを詳しくお伝えします。最後に、弱酸性泡で革を傷めず汚れだけを落とすレザーウォッシュ活用法もご紹介。読み終えたら、次のラウンドまでにグローブが新品同様に蘇るはずです。


天然皮革グローブのお手入れ


なぜ水は禁物か?


天然皮革は羊や牛の革をなめし加工したもの。タンパク質繊維が水分を吸うと繊維間の油分が流出し、乾燥すると硬化→ひび割れが起こりやすくなります。さらに、洗剤残りや強いアルカリ性成分は革を脱脂してツヤを奪うため、丸洗いはリスク大です。

手順とポイント


①乾拭きでホコリ・汚れを除去

柔らかい乾いた布で全体を軽く拭き、砂やほこりを取り除きます。とくに手のひらと指の曲げ目は汚れが溜まりやすいので丁寧に。

②弱酸性泡クリーナーで部分洗浄

グローブ全体を濡らさず、汚れのひどい箇所にだけ泡をポンポンと置きます。10秒ほど置いたら、湿らせた別の布で泡と汚れを押さえるように拭き取るのがムラ防止のコツ。

③陰干しでゆっくり乾かす

直射日光や暖房は避け、風通しの良い日陰で平置きまたはハンガーにかけて自然乾燥。完全に乾いたら、革用クリームを薄く塗って油分を補給します。


合成皮革(合皮)グローブのお手入れ


合成皮革の特徴


合皮はポリウレタンやPVCなどの樹脂で作られ、天然革より耐水性・耐汚性に優れます。しかし、過度な熱や強い溶剤がコーティングを傷め、表面の割れやベタつきを招きます。

手順とポイント


①ぬるま湯と中性洗剤で手洗い

バケツにぬるま湯(30°C程度)を張り、中性洗剤を少量溶かします。グローブを数分くぐらせ、汚れが浮いたら柔らかいブラシやスポンジで優しくこすります。

②しっかりすすいで洗剤を残さない

冷水で泡が完全に消えるまで十分にすすぎ、洗剤分を残さないことが色落ち防止のポイント。

③タオルで水分を吸い取ってから陰干し

グローブの内側にタオルを入れ、外側と内側の水分を軽く押さえて吸収。その後、日陰で形を整えながら自然乾燥させます。

④仕上げに軽くコーティングスプレー

合皮用の撥水・保護スプレーを10cmほど離して薄く吹きかけると、汚れ防止とツヤ復活効果が得られます。


素材別の共通ポイント&注意点


保管前に完全乾燥湿気が残るとカビやニオイの原因に
頻度は使った後すぐに乾拭きだけでも毎回行うと長持ち
極端な温度変化を避ける急激な乾燥や高温はどちらの素材もNG


レザーウォッシュを取り入れるメリット


天然革グローブの部分洗浄には、弱酸性泡で“汚れだけを浮かせる”レザーウォッシュが最適です。

  • 脱脂抑制:革が持つ自然の油分を守るpH設計
  • 泡の可視化:汚れが泡に移るので洗浄効果が確認しやすい
  • 時短ケア:泡→拭き取り→陰干しのシンプルルーティン

合皮グローブにも使用できるため、両素材を使い分けるゴルファーにはマルチに使える一本としておすすめです。


最後に


天然革・合成革いずれのゴルフグローブも、「素材を理解して適切な洗い方を選ぶ」ことでグリップ感と見た目を長く保てます。スイング直後のケアが、次のラウンドでのパフォーマンスを支えますので、ぜひこの手順を参考にグローブをリフレッシュしてください。疲れた革グローブには、最後のひと手間としてレザーウォッシュの泡ケアをプラスして、いつでも最高の握り心地をキープしていただければ幸いです。