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コラム
スエードスニーカーの洗い方──傷めずにフワフワ感を取り戻す4ステップメソッド

スエードは銀面を起毛させた革素材ゆえ、「水に弱い」「汚れが落ちにくい」と敬遠されがちです。しかし正しい洗い方を守れば、自宅でショップ仕上げ級のフワフワ感を取り戻せます。そのポイントは次の4ステップ。
- 1.ドライブラッシングで泥やホコリを粉状に砕く
- 2.弱酸性泡を“点”でスタンプし汚れを浮かせる
- 3.タオル吸水で泡と汚れを即座に回収
- 4.自然乾燥+起毛戻しで繊維を立たせる
これらを守れば、スニーカー全体を浸け置きせず、ケミカルは泡だけで完結。シミや輪ジミを防ぎ、繊維を傷めずに汚れだけを取り去れます。本稿ではスエードスニーカーのお手入れについて、家庭で失敗しないコツを詳しく解説します。記事の最後には、泡クリーナー「レザーウォッシュ」を活用した時短テクもご紹介。読み終えれば、雨上がりの泥はねや日常の汚れに怯えることなく、いつでもスエードスニーカーを履きこなせる自信がつくはずです。
なぜスエードは「洗いづらい」のか
スエードは表面に細かい繊維が立つ構造のため、汚れが繊維内部に入り込むと落としにくく、さらに水分を吸うと繊維が寝てしまい“輪ジミ”を生みやすい。またスニーカーの場合、布地やゴムソールと混合されている部分に水がしみ上がると、靴全体にシミが拡散しやすいのです。そのため「丸洗いは御法度」「アルカリ洗剤は厳禁」とされます。ただ、水や洗剤を極力使わずに汚れだけを浮かせる泡洗浄なら、色ムラや縮みを最小限に抑えられます。
事前準備──そろえたい3つのアイテム
豚毛または真鍮混毛ブラシ | (乾いた汚れを粉状に砕き、起毛を立たせる) |
弱酸性泡クリーナー | (革を脱脂せず、汚れだけを乳化) |
吸水性マイクロファイバータオル(2枚) | (泡と水分を瞬時に回収) |
スエードスニーカー洗浄の4ステップ
ステップ①ドライブラッシング(約2分)
完全に乾いた状態で、ブラシを靴一周させ泥やホコリを払い落とします。縫い目やソールの接合部は汚れが溜まりやすいので、ブラシの角を使い丁寧に掃き出します。
ステップ②点洗い(約3分)
泡クリーナーをクロスにワンプッシュ取り、汚れの濃い部分をポンポンと叩くように塗布。10秒放置して汚れを浮かせたら、湿らせたタオルで泡ごと押さえて回収します。こすらず押さえることで色抜けや繊維の寝込みを防ぎます。
ステップ③全体ブラッシング(約1分)
ステップ②で落としきれなかった薄汚れを、防腐的に泡をブラシに少量取り、靴全体をやさしくなでるようにブラッシング。最後に乾いたタオルで全体を包み込むように拭き取り、残留水分を一気に吸い取ります。
ステップ④自然乾燥+起毛戻し(3~4時間)
風通しの良い日陰で完全乾燥させ、乾ききったら再度ブラシで繊維を立たせます。乾燥途中でも一度ブラッシングするとムラなく仕上がります。
仕上げ撥水で次の汚れをブロック
乾燥完了後の繊維が膨らむタイミングで、30cmほど離して均一に撥水スプレーを噴霧。1時間ほど陰干しし、最後に軽くブラッシングして撥水膜を繊維の先端に均等にのせます。泥はねや雨ジミを予防し、メンテ間隔を延ばせます。
ありがちな失敗とリカバリー
【症状】 | 【原因】 | 【リカバリー方法】 |
斑点が残った | 乾拭き不足 | 泡を再塗布してタオル吸い取り |
色が白っぽく硬化した | 水分過多 | 冷風のドライヤーを10cm離して当て、ブラシで繊維を起こす |
繊維が寝たまま | 乾燥中のブラッシング不足 | 冷風+ブラシで徐々に立たせる |
“泡で洗う”定番ツールとしてのレザーウォッシュ
最後に、弱酸性泡クリーナー「レザーウォッシュ」を使えば、上記ステップ②~③がより簡単・確実になります。泡が灰色に変わることで汚れ落ちが目視でき、初心者でもムラなく点洗い可能。アルコールフリーで革の脱脂を抑えながら除菌・消臭効果も期待できるため、スエードの繊維を傷めず清潔に保てます。
最後に
泥はねや日常の汚れに怯えず、スエードの柔らかな質感と色味を思い切り楽しむ──その第一歩は正しい洗い方から。乾ブラシ+点洗い+即吸水+陰干しをマスターし、次の休日にはぜひスエードスニーカーをきれいにリフレッシュしてみてください。