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コラム
タンナーの仕事から学ぶ!革の丸洗いとレザーウォッシュの上手な使い方

革って「一度汚れたら終わり」と思っていませんか?
実は、プロのタンナー(製革職人)の仕事を少しだけイメージすると、家庭でも革をいたわりながら“丸洗い”する発想が見えてきます。ポイントは、ただゴシゴシ洗うのではなく、「汚れを落とす」「繊維を守る」「油分と潤いを戻す」という3つの流れを意識すること。ここに、弱酸性で革の繊維を守りながら洗えるレザーウォッシュを組み合わせると、毎日の革ケアがぐっと現実的になります。
タンナーの仕事って、実は「徹底したお手入れ」
タンナーは、生の皮を「革」に変えるプロです。
その仕事をざっくり言うと、
- 皮についている汚れ・余分な成分を落とす
- 繊維を整え、なめし剤などで強さと柔らかさを与える
- 乾燥しすぎないように油分と潤いを入れる
という、「大がかりなクリーニング+トリートメント」のようなもの。
私たちが使っている革財布や革ジャン、革バッグも、もともとはこうした工程を経て生まれています。
だからこそ、家庭での丸洗いを考えるときも、「タンナーの仕事をミニチュア化」したイメージで考えると失敗しにくくなります。
家での革の丸洗いに大事なのは「洗剤選び」
とはいえ、タンナーと同じことを家でやるのはもちろん無理です。
そこで鍵になるのが洗剤。
普通の衣類用洗剤は、汚れ落ちを優先してアルカリ性が強めのものが多く、デリケートな革の繊維や油分を一気に奪ってしまうことがあります。結果として、
- 革がガサガサに乾く
- 硬く縮む
- 色が一気にくすむ
という“取り返しのつかない変化”につながることも。
ここで役に立つのが、革用に設計された弱酸性の洗浄剤レザーウォッシュです。
レザーウォッシュは、
- 革の内部のコラーゲン・ケラチン繊維を守りながら
- 汗や皮脂、湿気由来のカビ臭など「水溶性の汚れ」を中心に落とし
- 洗いながら油分・保湿成分を補給してくれる
という、タンナーの「洗う+整える+潤いを戻す」の流れを、家庭用にギュッと凝縮したようなイメージの洗剤です。
丸洗いをするなら、用途別に設計された
- 靴・小物向けのレザーウォッシュ
- レザーウエア向けで、洗濯機でのケアに対応したレザーウォッシュ
といった専用品を選ぶと、より安心して使えます。
タンナー気分で、革を丸洗いしてみる
具体的な流れも、タンナーの仕事を小さくしたように考えると分かりやすくなります。
- 汚れを浮かせる
いきなりゴシゴシこするのではなく、レザーウォッシュをぬるま湯に溶かして、革全体をやさしくゆらすように洗います。表面だけでなく、内側に入り込んだ汗や湿気もじんわりと抜いていくイメージです。 - 繊維をいたわりながらすすぐ
洗剤成分をしっかり落としつつ、こすらない・絞りすぎない。ここを乱暴にすると、タンナーが丁寧に整えた繊維構造が崩れ、シワや型崩れの原因になります。 - 形を整えて、ゆっくり乾燥
タオルで水分を吸い取り、形を整えて陰干し。タンナーの「乾燥工程」のミニ版です。ドライヤーの熱風を当てると革が一気に縮むのでNGです。 - 仕上げのうるおいケア
乾いた後は、革の状態を見ながら、必要であればクリーム等で油分を追加。レザーウォッシュは洗いながらも保湿してくれますが、ヘビーユースの靴や財布なら、ここでひと手間かけるとさらに長持ちします。
レザーウォッシュを使う前に必ずチェックしたい素材
最後に、タンナーでも悩む「素材の個性」についての大事な注意点です。
レザーウォッシュが使えない、または強く注意が必要なケースは、必ず押さえておきましょう。
- 使用不可の素材(NG)
- ヌメ革
- 爬虫類革以外の箇所の「毛皮コート」(毛皮/毛皮調/ファー付き毛皮を含めた“毛皮コート”)
- 純白のファー
- 注意して使う素材
- 起毛革(スエード・ヌバックなど)
- 赤・青・淡色の革(色落ちしやすい)
ファーそのものだけであれば、レザーウォッシュ使用可ですが、いずれにしても目立たない場所でパッチテストをしてから使うのがおすすめです。
まとめ:家庭の丸洗いは「ミニタンナー作業」と考える
タンナーの仕事をイメージすると、革の丸洗いは「とにかく汚れを落とす作業」ではなく、
- 汚れをやさしく取り除き
- 繊維を守り
- 失われがちな油分と潤いを補う
という流れを、大切にすることだと分かります。
その流れを家庭で実現しやすくしてくれるのが、弱酸性で革の繊維を守りながら洗えるレザーウォッシュ。
お気に入りの革靴や財布、レザージャケットを「プロの工房に出すほどではないけれど、ちゃんと丸洗いしてリセットしたい」というとき、レザーウォッシュを“ミニタンナー”の相棒として取り入れてみてください。革との付き合い方が、一段ラクで、ちょっと楽しくなるはずです。





