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コラム
革製品(レザーシート)は水に弱い?——最新技術で変わる常識

「革は水に弱い」。これは昔から言われてきた常識です。特に車の本革シート、たとえばレクサス RX(Lパッケージ)やトヨタ アルファード Executive Loungeに標準装備されているナッパレザーなどは、雨や汗のシミを防ぐため、気を遣って乗車している方も多いでしょう。
さらに後付けのレザーシートカバー、たとえばClazzio(クラッツィオ)リアルレザーやGranz(グランツ)本革シートカバーなどは、1セットあたり約5〜8万円と高額です。それだけに、「汚れても洗えない」となるとケアには神経を使いますよね。
しかし近年、この「革製品は水洗いNG」という常識が覆されつつあります。実は革は人の肌と非常に似ており、90%以上がタンパク質で構成されているため、正しい方法で洗えば傷めずに清潔さを取り戻すことができるのです。
このコラムでは、革の構造や水に弱い理由、革を柔らかく保つための油分の役割、そして車のレザーシートにも活用可能な新技術「レザーウォッシュ」について解説します。
革を柔らかく保つ油分・保湿成分の重要性
車のレザーシートがしなやかで高級感のある質感を保っているのは、革繊維の隙間にある細胞間脂質(油分・水分)によるものです。これが失われると、どれほど高級なレザーでも劣化は避けられません。
たとえばClazzio本革シートカバー(約60,000円)のような製品でも、水拭きや通常の洗剤では脂分が抜け、革が乾燥・硬化する危険があります。これは人間の肌が、必要な皮脂を洗い流しすぎると突っ張ってしまうのと同じ理屈です。
なぜ「革製品の水洗いはNG」と言われてきたのか?
これまで多くのドライバーは、以下のような方法でレザーシートの汚れに対応してきました。
- ✅ 何もしない
- 汗ジミや黒ずみがあっても、「どうせ洗えないし」とそのまま使い続ける。
- ✅ 自己流の水拭き
- 自宅で濡れタオルなどで拭くが、革が硬化してシワが残るケースも。
- ✅ 高額なクリーニング
- 専門業者に丸洗いを依頼すると、1席あたり1〜1.5万円、4席で5万円以上かかることも。また、水溶性の汚れ(汗・カビなど)は落ちづらく、石油系薬剤の臭いが残ることもあります。
革も洗える時代に:「レザーウォッシュ」の登場
こうした悩みに応えるべく開発されたのが、車のレザーシートにも使える画期的な洗浄技術「レザーウォッシュ」。この商品は、革に必要な栄養を補いながら水溶性の汚れをやさしく洗い流す、弱酸性の専用クリーニング剤です。
レザーウォッシュの価格とラインナップ(参考価格)
製品名 | 用途 | 容量 | 参考価格 |
レザーウォッシュ・ウェア用 | ジャケット・バッグ向け | 100+100ml | 3,600円 |
レザーウォッシュ・インテリア用 | 車内シート向け | 200ml | 2,800円 |
レザーウォッシュ・小物用 | 財布・靴など | 200ml | 2,800円 |
なぜ洗っても革が傷まないのか?
1.弱酸性でやさしく汚れを除去
人の肌に近い弱酸性で、汗や飲み物、カビ臭などの水溶性汚れをしっかり分解除去。
2.タンパク質繊維の保護成分を配合
コラーゲンなどの繊維構造が壊れにくく、洗っても縮みにくい。
3.洗いながら保湿&油分を補給
洗浄液に含まれる保湿成分が革内部に浸透し、しっとり柔らかな仕上がりをキープ。
自宅で手軽にできる革シート洗浄
使い方はとても簡単。たとえば、トヨタ アルファードの2列目プレミアムレザーシートに使う場合、以下の手順で洗浄できます。
- ①ぬるま湯にレザーウォッシュを所定量溶かす
- ②柔らかい布を浸し、革の表面をやさしく拭き取る
- ③清潔なタオルで水分を拭き取り、日陰で乾燥させる
高圧洗浄や専用機材は一切不要。週末にガレージで簡単に実施できます。



おわりに
高級車のレザーシートや本革アイテムを「洗えないから」と諦めていた方にとって、レザーウォッシュの登場はまさに革命です。
車内の汗ジミや食べこぼし、カビ臭に悩んでいた方も、これからは安心して丸洗い&メンテナンスが可能になります。お気に入りの革シートを長く美しく保つために、人の肌と同じように「洗って保湿」する新常識を、あなたのカーライフにも取り入れてみてはいかがでしょうか。