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コラム
ゴルフグローブの選び方と長持ちお手入れガイド~素材比較から簡単ケアまで~
ゴルフグローブを選ぶ際に重要なのは「素材」と「フィット感」、そして「日々のお手入れ」の3点です。
天然皮革は抜群の通気性と手に馴染むフィット感が魅力ですが、水に弱く、汗や汚れで傷みやすい特徴があります。一方、合成皮革は耐久性が高く、価格も手頃ですが、通気性やフィーリングにやや劣る傾向があります。初めて買うなら合成皮革、グリップ感にこだわるなら天然皮革がおすすめです。
しかしいずれの素材でも、適切なお手入れをしなければグローブはすぐに劣化します。革が水に弱い理由は①皮革の90~95%がコラーゲンやケラチンなどのタンパク質で構成されており、水洗いで変性・硬化しやすいこと、②タンパク質を包む「油脂成分」や「保湿成分」が水で流れ出て、革が乾燥してひび割れるためです。
本来丸洗いNGとされてきた革製品でも、特許取得の弱酸性天然成分「レザーウォッシュ」を使えば、丸洗いしながら汚れや汗臭をしっかり落としつつ、油脂成分を守ってしなやかさを維持できます。
本記事では、まず革が水に弱いメカニズムをわかりやすく解説し、そのうえでゴルフグローブの選び方と従来のお手入れ方法をステップごとに紹介。最後にレザーウォッシュを活用した最新ケアをお伝えし、大切なグローブを長く使い続けるコツをまとめました。
革製品が水に弱いメカニズム
ゴルフグローブの愛用者が多い天然皮革は、汗や雨で傷みやすい性質があります。その主な理由は次の2点です。
- 1.皮革組織の90~95%はタンパク質細胞で構成されている
- o革の主成分はコラーゲン、ケラチンなどのタンパク質細胞です。
- oこれらタンパク質が水にさらされると構造が変性・変質しやすく、繊維どうしが結びついてしまうため、革が固くゴワつきます。
- o結果としてフィット感が失われ、硬化したグローブは手にストレスを与えやすくなります。
- 2.タンパク質細胞を包む「油脂成分」「保湿成分」が細胞間脂質として存在する
- o革のしなやかさや弾力は、タンパク質細胞の間にある油脂成分や保湿成分(細胞間脂質)によって保たれています。
- o水洗いをすると、この細胞間脂質が流れ出てしまい、革は乾燥してパリパリに。ひび割れや変形が起こりやすくなります。
- oそのため、これまで「丸洗いNG」とされ、汗汚れや湿気が残らないよう、部分的なお手入れにとどめるのが一般的でした。
ゴルフグローブの素材別メリット・デメリット
ゴルフグローブは大きく「天然皮革」「合成皮革」の2種類に分かれます。それぞれの特徴を理解し、自分のプレースタイルや好みに合ったものを選びましょう。
天然皮革グローブ
- メリット
- o抜群のフィット感と通気性
- 手にしっとりと馴染み、汗をかいても蒸れにくい。
- oグリップ力の高さ
- 天然革ならではの適度な“吸い付き感”があり、クラブをしっかりホールドできる。
- o高級感・所有感
- 価格はやや高めだが、良い革ほど使い込むほど味が出る。
- o抜群のフィット感と通気性
- デメリット
- o水・汗汚れで傷みやすい
- 前章の通り、水分で革が硬くなるリスクがある。
- o価格が高め
- 品質の良い天然皮革グローブは1枚数千円~1万円以上とコストがかかる。
- o手入れが手間
- 定期的にクリーム塗布や部分洗いが必要。
- o水・汗汚れで傷みやすい
合成皮革グローブ
- メリット
- o耐久性が高い
- 汚れや水に強く、摩耗にも強いため長持ちしやすい。
- o価格が手頃
- 天然革に比べ比較的安価で、気軽に替えられる。
- oお手入れが簡単
- 多少の雨や汗でも表面を拭けばOK。
- o耐久性が高い
- デメリット
- o通気性・風合いが劣る
- 天然皮革に比べると蒸れやすく、手に馴染むフィット感はやや劣る。
- o使用感に個人差
- 合成革の貼り合わせ部分が硬いと感じる人もいる。
- o通気性・風合いが劣る
ゴルフグローブの正しい選び方
素材別の特徴を踏まえたうえで、「自分に合ったゴルフグローブ」を見つけるためのポイントを解説します。選び方の基本は「素材」「サイズ(フィット感)」「機能・デザイン」の3つです。
素材を決める
- 初心者・コスト重視
- →合成皮革グローブから始めるのがおすすめ。汚れを気にせずラウンドを楽しめ、価格も手頃。
- フィーリング重視・中~上級者
- →天然皮革グローブを検討。レザー独自の握り心地と通気性を活かして、高いパフォーマンスが期待できる。
- 季節・気候で使い分ける
- o夏場や梅雨時期:合成皮革や通気性重視モデル。汗での劣化リスクを抑えられる。
- o冬場や乾燥時期:天然皮革で手の冷えを防ぎつつ、しっかりgripできるもの。
サイズ(フィット感)を確認する
- サイズ測定の基本
- 1.手のひらの一番広い部分(親指付け根から小指の付け根まで)をメジャーで測る。
- 2.メーカーごとのサイズ表(S/M/Lなど)を参照し、自分の手囲(cm)に合うものを選択。
- 試着時のポイント
- グリップを握ったときに余裕がなく、かつキツすぎないフィット感を確認。
- 指の先端が長すぎるとスイング中にズレたりシワが寄って握りにくくなる。
- 指が短すぎると血流を圧迫して指先が痛くなる恐れがある。
- 注意点
- メーカーによってサイズ感は微妙に異なるため、必ず同一ブランド・同一モデルで試着する。
機能・デザインをチェックする
- 通気穴(パンチングホール)の有無
- 手汗を多くかく春夏は、パンチングホール付きモデルが蒸れにくくおすすめ。
- 手首の留め具(ベルクロ/ベルト)
- ベルクロ(マジックテープ)タイプ:着脱が簡便で、微調整がしやすい。
- ベルトタイプ:しっかり固定できるが、着脱に手間がかかる場合がある。
- 手の甲部分のストレッチ素材
- 手の曲げ伸ばしに合わせて伸縮するストレッチパネル付きは、動きやすさが抜群。
- デザイン・配色
- クラブやウェアとのコーディネートを楽しむなら、ブランドロゴや配色バランスにも着目。
- 派手すぎるデザインはミスショット時に視線が集中することもあるため、シンプルかつ適度におしゃれなモデルが狙い目。
ゴルフグローブのお手入れ基本ステップ
選んで終わりではなく、使い続けるためには日々のお手入れが欠かせません。ここでは、従来の手入れ方法(丸洗いNG前提)と、最低限押さえておきたいポイントを紹介します。
1.使用直後のふき取り
- 1.ふき取り方法
- ラウンド後は、乾いたタオルやマイクロファイバークロスで汗や汚れを軽く拭き取る。
- グリップ面の汚れは特に落としにくいので、表面をやさしくトントンと叩くようにふき取りましょう。
- 2.ポイント
- 水気や汗が残っていると、革内部で雑菌が繁殖しやすくなる。必ずチェックして乾拭きしてください。
2.陰干し(自然乾燥)の重要性
- 1.陰干しの方法
- 直射日光やドライヤーは革を急激に乾燥させ、硬化やヒビ割れの原因になります。
- 風通しの良い日陰に平らに置くか、クリップなどで吊るし、自然に乾かす。
- 2.形崩れを防ぐ工夫
- 指先部分に軽く丸めた白い布や紙を詰めると、乾燥中に指先がへこむのを防ぎ、グローブの形状をキープできる。
- 3.目安時間
- 気温・湿度によりますが、半日~1日ほどかけてじっくり乾燥させる。
3.部分洗い・保湿ケア
- 1.革用クリーナーで部分洗い
- 汚れがひどい部分は、市販の革用クリーナーをスポンジや柔らかい布に含ませ、やさしく拭き取る。
- 使う前に目立たない箇所で色落ちテストを行い、問題がなければ全体に行う。
- 2.保湿クリームでトリートメント
- 革内部の油脂成分を補うため、クリーナーで汚れを落とした後は必ず革用保湿クリームを塗布。
- 少量を布に取り、薄くムラなく伸ばし、余分な油分を拭き取る。
- 乾燥やひび割れ、硬化を抑え、しなやかな手触りをキープする効果がある。
丸洗いはNG?新常識「レザーウォッシュ」の活用法
前章までの手入れは「丸洗いNG」が前提でしたが、実は「丸洗いできる革専用ケア剤」が登場し、従来の常識を覆しつつあります。ここでは最後に、「レザーウォッシュ」について簡単にご紹介します。
1.レザーウォッシュとは?

- 弱酸性・天然成分で作られた革専用洗浄&ケア剤
- 皮革にやさしいpHバランスを実現し、革の主成分であるタンパク質細胞を過度に変性させずに汚れを分解。
- 細胞間脂質(油脂成分・保湿成分)を守る成分配合で、水洗い後の乾燥やひび割れを防止する。
- 特許取得済みの技術
- 独自ブレンドの天然由来洗浄成分が特許取得されており、他社には真似できない処方で革を傷めずに丸洗い可能
- 対応素材が幅広い
- 羊革、牛革、馬革などの天然皮革はもちろん、PUやPVCなどの合成皮革にも対応。
- ゴルフグローブだけでなく、スニーカー、バッグ、財布など幅広い革製品で活用できる。
2.レザーウォッシュを使った簡単ケア手順
レザーウォッシュを使えば、1回5分の簡単ケアで、ゴルフグローブは見違えるほど綺麗になります。かつ、除菌消臭作用もあるので、嫌な臭いも発生しにくくなります。詳細は、弊社WEBサイト「お手入れ方法」をご覧ください。
まとめ
大切なゴルフグローブを長く、気持ちよく使い続けたいなら、正しい選び方と日々のお手入れをしっかり押さえ、必要に応じて最新のケアアイテム「レザーウォッシュ」を取り入れましょう。初心者から上級者まで、素材にこだわるすべてのゴルファーのために、本コラムが一助となれば幸いです。