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スエードの靴のお手入れ方法──起毛革だからこそ、正しいケアを

濡らしちゃダメ、こすってもダメ。スエードの靴は、革製品のなかでも特にお手入れが難しいとされています。でも、本当にそうなのでしょうか?たしかに誤った方法でケアをすると、毛羽立ちが潰れてしまったり、色ムラが出たりと取り返しがつかないこともあります。しかし、正しい知識とケア用品さえあれば、自宅でスエード靴を美しく保つことは十分可能です。今回は、スエードという素材の特徴から始まり、一般的な水に弱い理由、そしてそれを解決する方法までを詳しくご紹介します。


スエードとは?──起毛の奥にある繊細さ


スエードは、革の裏側(床面)を起毛加工した革素材です。そのため、滑らかでマットな質感をもち、落ち着いた高級感を醸し出します。しかし同時に、毛足の細かさゆえに汚れや水分を吸収しやすく、メンテナンスを怠ると一気に劣化してしまう素材でもあります。

また、スエードの多くは牛革や豚革を起毛加工したものが主流ですが、最近では人工皮革(合成スエード)も多く出回っており、それぞれでお手入れの方法も異なります。

本稿では、天然スエードを主な対象にお手入れ方法をお伝えしていきます。


革製品はなぜ水に弱いのか?──タンパク質と脂質の関係


スエードに限らず、革全般が「水に弱い」とされる理由は大きく2つあります。

  • 1.革の90〜95%はコラーゲンやケラチンといったタンパク質細胞で構成されています。水に濡れてそのタンパク質が変性すると、繊維の構造が壊れ、乾いた後にゴワゴワと固くなってしまいます。
  • 2.さらに革の内部には、柔軟性を保つための油脂成分や保湿成分(細胞間脂質)が存在します。これらは洗顔やボディーソープのようなアルカリ性の洗剤では流出してしまい、革のツヤや柔らかさが失われてしまいます。

つまり、「革は水に弱い」のではなく、「水と合わない洗浄方法が多かった」ことが、長らく水洗いNGとされていた背景なのです。


スエード靴のお手入れ基本ステップ


スエードの靴をきれいに保つには、次のような手順が推奨されます。

  • 1.ブラッシングでホコリを取る
    • 毛並みを潰さないように、スエード専用ブラシ(ない場合は柔らかめの歯ブラシでも可)で優しくブラッシング。
  • 2.汚れの吸着
    • 消しゴムタイプのスエードクリーナーや、起毛革対応の泡タイプ洗浄剤を用いて汚れを落とします。
  • 3.乾燥
    • 風通しの良い日陰でしっかりと乾かす。ドライヤーの熱風は厳禁です。
  • 4.毛並みの整え
    • 再度ブラッシングして毛並みを立てて仕上げます。
  • 5.防水スプレーで保護
    • 雨や汚れから守るため、防水スプレーを仕上げに使うのもおすすめです。


レザーウォッシュなら、水洗いできるスエード靴ケアが実現


「でもやっぱり、水を使うのは怖い…」という方にこそ知っていただきたいのが、レザーウォッシュです。

レザーウォッシュは、弱酸性かつ100%天然成分で作られた革専用の洗浄・保湿剤。特許取得の独自技術により、革のタンパク質を変性させずに汚れだけを優しく落とすことができます。

スエードなどの起毛革にも対応しているため、泡をのせてやさしくブラッシングするだけで、汚れとニオイを除去しながら革本来の風合いを取り戻すことができます。

また、レザーウォッシュには動物性精油と植物性精油がバランス良く含まれており、革の内部と表面の両方に栄養を補給します。化粧品にも使われる保湿成分が加わっているため、洗ったあとに革がパサつかず、むしろしっとりと仕上がるのも大きな特徴です。


「水洗い=革を傷める」はもう古い


革製品の水洗いに対する不安は根強いですが、実はプロのタンナー(革職人)たちは、原皮を水に漬けて塩抜きや処理を行う工程を経て、しなやかな革を作っています。つまり、“正しい処理”さえできれば、革は水に濡れても傷まず、むしろ清潔に保つことができるのです。

レザーウォッシュは、日本で初めて水洗いできる革用洗剤として商標登録されており、すでに75万本以上の販売実績があります。韓国・中国・カナダでも愛用され、プロ野球球団や大手バイクメーカーのOEM商品にも採用されるなど、信頼と実績のある製品です。


最後に──スエード靴を“清潔に、美しく”長く履くために


スエードの靴は、おしゃれのアクセントとして重宝する一方、汚れやすさやケアの難しさから敬遠されがちです。しかし、道具と知識さえあれば、汚れも臭いも怖くありません。むしろ、定期的なお手入れを通じて、革が持つ表情の変化を楽しみ、自分だけの一足に育てていくこともできるのです。

「革製品は水に弱い」という思い込みを覆す、レザーウォッシュ。特にスエード素材の靴に悩む方には、一度使っていただきたい一品です。今日から、あなたの足元の“ふわふわ”を取り戻してみませんか?