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革バッグのお手入れ方法:革新的な洗浄方法で簡単・長持ちケア

革のバッグは光沢と高級感が魅力で、耐久性もあり一般的に10年以上もつと言われますが、お手入れ次第ではさらに長持ちさせることも可能です。しかし、水や洗剤に弱い素材のため「汚れても自宅で洗うのは無理」と思われがちで、専門クリーニングは費用が高いため、ついお手入れを後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。

その結果、革表面の汚れやカビを放置したり、表面に油分を塗ってツヤ出しする程度で済ませているケースもあるかもしれません。しかし、それでは革本来の清潔さを保つことはできず、せっかくの革バッグの寿命を縮めてしまうおそれがあります。

幸い近年では、従来の常識を打ち破る革新的な革専用洗剤の登場により、革製品を自宅で「丸洗い」することも可能になってきました。

革が水に弱いメカニズムを理解し、正しいお手入れ方法を実践すれば、お気に入りの革バッグを清潔に長持ちさせることができます。本稿ではまず革製品が水に弱い理由についてわかりやすく解説し、その問題を解決した新発想の洗浄剤「レザーウォッシュ」をご紹介します。

さらに、日常生活で今日から実践できる革バッグお手入れのコツもお伝えします。水洗いも怖くない新しい革バッグケアで、大切な革製品をいつまでも美しく保ちましょう。


革製品が水に弱いのはなぜ?そのメカニズム


革(天然皮革)は動物の皮膚を加工したもので、その組織の90〜95%はコラーゲンやケラチンといったタンパク質でできています。言い換えれば、革の主成分は人間の肌とほとんど同じタンパク質なのです。私たちの肌や髪をゴシゴシ水洗いすれば傷んでしまうように、革も水に濡れて過度な刺激が加わるとタンパク質の繊維構造が変性・破壊されて硬く縮む原因になります。実際、普通の洗剤で革を洗うと汚れは落ちてもゴワゴワに硬化し、色落ちや縮みまで起きてしまうのはこのためです。

さらに、革の柔軟さやしっとり感を保つためには「細胞間脂質」と呼ばれる油分や保湿成分が欠かせません。革繊維のタンパク質細胞のすき間には、潤いを与える天然の油脂成分が存在しています。しかし水洗いすると、その大切な油分まで洗い流されてしまい、革が乾燥してカサカサに硬くなってしまいます。人間の肌で例えるなら、強い石鹸で必要な皮脂まで奪われてカサついてしまうようなものです。

以上のように革はタンパク質と脂質のバランスでしなやかさを保っているため、水で丸洗いすると繊維が傷み油分も失われてしまうのです。これが「革製品は水に弱い」と言われるゆえんで、長い間自宅での水洗いはタブー視されてきました。そのため従来は、革が汚れても何もせず我慢して使い続けたり、高価なドライクリーニングに出すしかありませんでした。しかしドライクリーニングでも汚れやカビは落としきれず、石油系の薬品臭が残ったり革の油分が失われてしまう欠点があります。では、革製品を清潔に保つにはどうすればよいのでしょうか?


革を水洗いできる革新的洗浄剤「レザーウォッシュ」


上述の理由から「革は水洗いできない」が常識でしたが、その常識を覆したのが弱酸性・天然成分100%の革専用洗浄剤「レザーウォッシュ」です。開発元のミズタニは長年の研究により革が硬化してしまう原因を突き止め、その解決に成功しました。こうして生まれたレザーウォッシュは、世界で初めて革を安全に丸洗いできるようにした特許取得済みの革用栄養洗剤です。人の肌と同じ弱酸性処方で革のタンパク質繊維を優しく守りつつ、洗浄中に流出してしまう潤い成分・油脂成分を洗剤中の栄養分で新たに補給することで革の風合いを蘇らせることができます。成分は植物由来を中心とした100%天然成分なので革にも環境にも優しく安心です。

レザーウォッシュを使えば、水溶性の汗汚れやカビ・泥汚れなどをきれいに落としながら、革繊維を保護してゴワつきや縮みを防ぎ、さらに失われた油分を補ってしなやかな質感を取り戻すことができます。要するに「洗浄」と「栄養補給(コンディショニング)」を同時に行うオールインワンの革専用シャンプーなのです。弱酸性ボディーソープで肌を洗うような感覚で革製品も丸洗いできるなんて、革のお手入れとして画期的ですよね。

実際、レザーウォッシュで丸洗いした革バッグはどのようになるのでしょうか。クリーニング事例を見てみましょう。下の写真は牛革バッグのビフォーアフター比較です。

洗浄前:長年使い込まれた革バッグ。全体に黒ずみやくすみが見られ、革表面の乾燥で白っぽく粉を吹いたような箇所もあります。汚れが蓄積し、本来のツヤが失われた状態です。
洗浄後:レザーウォッシュで丁寧に丸洗いすると、ここまで見違えるように綺麗になります。表面の汚れが落ちて均一な色ツヤが戻り、革も柔軟性を取り戻しています。革本来の風合いが蘇り、新品とまではいかなくとも大切に手入れされたアイテムとして再生しました。

ご覧のように、レザーウォッシュを使えば自宅でも革バッグの本格クリーニングが可能です。「汚れを落とす」と「潤いを与える」を同時に実現できるため、洗った後も革が硬くならず縮みにくいのが大きな特長です。革についた汗やカビまで水洗いでスッキリ落とせるので清潔ですし、カビの原因となる汚れを除去できるため防カビ効果も期待できます。弱酸性で除菌・消臭もできるので、革にこもった嫌な臭いも取り除けて快適に使用できます。革製品のお手入れは「拭いてクリームを塗るだけ」から、洗ってケアする新常識へと変わりつつあります。


日常でできる革バッグお手入れのコツ


革バッグを長持ちさせるには、日頃からのちょっとしたケアが大切です。最後に、読者の皆さんが実際にご自宅で試せる革のお手入れアドバイスをいくつかご紹介しましょう。

  • 外出前に汚れに気づいたら
    • お出かけ前にバッグの黒ずみや手垢汚れが気になった時は、あわてず革用のお手入れシートでサッとひと拭きしましょう。最近はレザーウォッシュのような革専用クリーナーが染み込んだウェットティッシュタイプの商品も市販されています。バッグからサッと取り出して拭くだけで、表面のホコリや軽い汚れを手軽に落とせるので一つ持っておくと安心です。カフェで飲み物をこぼしてしまった時や、皮脂汚れが目立つ取手部分の拭き取りにも重宝する心強い味方です。

  • 雨で濡れてしまった後のケア
    • 革バッグが雨に濡れてしまった場合は、帰宅後のケアが肝心です。まず乾いた柔らかい布でポンポンと押さえるように水気を優しく拭き取りましょう。こすらず押し当てて水分を移すのがポイントです。次に可能であればレザーウォッシュを布に含ませて軽く拭き、雨水に含まれた汚れや皮革に残った不純物を取り除いておくと安心です。仕上げは風通しの良い室内で陰干しします。濡れた革製品は直射日光に当てたりドライヤーの熱風を当てたりすると急激に乾燥して硬化や変色の原因になるため厳禁です。乾燥を急ぎたい時は扇風機の風を当てる程度に留め、自然乾燥でゆっくり乾かしてください。乾燥後、必要に応じて革用クリームで保湿するとベストな状態に保てます。

  • 本格的に丸洗いする場合
    • 全体的なくすみ・黒ずみが気になったら、思い切ってレザーウォッシュで丸洗いクリーニングするのもおすすめです。いきなり始める前に目立たない部分で色落ちしないかテストをすることと、表面のホコリや砂は事前にブラシや乾いた布で払い落としておくことが重要です。準備ができたら洗面器などにぬるま湯を張り、レザーウォッシュ原液または泡タイプを適量溶かします。バッグ全体を浸すのではなく、汚れに洗剤液を含ませた布やスポンジで優しく擦るように洗いましょう。柔らかいクロスにクリーミーフォームタイプのレザーウォッシュを含ませて革表面を撫でるように洗うと◎。泡を直接革に乗せる場合も、ゴシゴシこすらず優しく泡を行き渡らせるイメージで洗浄することが大切です。洗い終わったら洗剤が革に残らないよう固く絞ったタオルで丁寧に拭き取ります。その後は先述の通り陰干しで完全に乾かせば完了です。洗浄と同時に革に栄養が行き渡るので、乾燥後はしっとりとした質感に仕上がります。年に一度など定期的に丸洗いすることで汚れをリセットでき、カビや臭いの発生も防げるでしょう。

以上、革バッグのお手入れ方法について解説しました。革はデリケートな素材ですが、正しい知識とケア用品があれば自宅でも十分に対応できます。大切な革バッグを長く愛用するためにも、「汚れたらおしまい」ではなく適切なお手入れでコンディションを維持する習慣をぜひ始めてみてください。レザーウォッシュを活用すれば「洗って清潔にする」という新しい革ケアが手軽に実現できます。日々のひと手間が革の美しさを保ち、結果的にお気に入りのバッグを末長く楽しむことにつながるでしょう。お手入れを施した革バッグはきっと応えてくれます。あなたも今日から革バッグを丁寧にケアして、その艶やかな輝きを末永く守ってあげてください。