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泥まみれスパイクを次も最高の一足に!―天然革&合成皮革別・サッカースパイクお手入れガイド

サッカーの試合や練習を終えた後、子どものスパイクは赤土や泥、水分でギトギトになります。そのまま放置すると、次の日のグリップ力が落ちるだけでなく、素材に応じた劣化を招きます。

革スパイク(天然皮革)は泥を吸い込むと硬化し、ひび割れや型崩れを起こしやすくなります。一方、合成スパイク(人工・合成皮革)は樹脂コーティングの下に水分が溜まると白く粉を吹いたり、表面が剥がれたりします。

本稿ではまず、素材ごとの汚れのメカニズムを解説し、そのうえで

①試合後15分でできる応急処置

②週末30分の徹底クリーニング

③保管時の一工夫

④においと雑菌対策としての弱酸性泡クリーナー〈レザーウォッシュ〉活用法を順に紹介します。

泥を「浮かせて」「拭き取り」「形を保って乾かす」だけのシンプルな流れを習慣化すれば、グリップ力もフィット感も長くキープできます。

読み終わったら、早速玄関にスパイクケースをスタンバイさせ、親子でお手入れを楽しんでみてください。


素材別・スパイク汚れの落とし方を理解する


サッカースパイクの素材は大きく二つに分かれます。

革スパイク(天然皮革)牛革やゴートレザーなどがアッパーに使われ、足を包み込むしなやかなフィット感と優れた耐久性が魅力です。泥水を吸うとコラーゲン繊維が膨張し、乾くと縮んで硬化、ひび割れを起こします。紫外線で乾燥が進むとより顕著です。
合成スパイク(人工・合成皮革)クラリーノなどの樹脂コーティングアッパーは軽さと防水性が高く、色やデザインが豊富です。でも、泥に含まれる石灰成分で白く濁ったり、長時間濡れるとコーティングが剥がれやすくなったりします。

汚れの原因が違えば対処法も変わるため、まずは手元のスパイクがどちらの素材かを確認しましょう。インソールを外してタグを確認してみてください。


試合後15分で完了!超簡単応急処置


試合直後の泥汚れは乾く前にリセットすると後が楽です。グラウンド横で、次のように進めます。

  • 1.ソールの泥を叩いて落とす
  • スタッド部分をグラウンドの縁石や金属の縁に軽くコンコンと当て、固まりだけ先に落とします。
  • 2.ブラシでドライブラッシング
  • 毛足の短いブラシを使い、つま先からかかと方向へ一方向に動かします。革スパイクは強くこすると表面が削れるので、力を抜いてください。
  • 3.タオルで軽く拭き取る
  • 合成スパイクは、固く絞った濡れタオルで泥と汗を同時に拭き取り。その後すぐ乾いたタオルで水分をオフします。革スパイクは濡れタオルではなく、乾いたマイクロファイバークロスで表面を優しく撫でてください。
  • 4.新聞紙で詰めて帰宅
  • インソールを外し、スパイク内部に丸めた新聞紙を詰めます。内部の湿気を吸わせ、翌朝には速やかに乾燥させられます。


週末30分ケア――徹底クリーニング&保形


革スパイク(天然皮革)の場合


週末は本格的にケアしましょう。まず毛ブラシで目立つ泥を払い、例えば、弊社商品〈レザーウォッシュ〉の泡をクロスに米粒大取り、アッパーに軽くスタンプします。10秒ほど待つと泡が汚れを乳化して灰色に変わるので、乾いた面で優しく拭き取ります。アウトソールは流水で細かい泥を流し、陰干し30分後に無色の革用クリームを薄く塗布し、豚毛ブラシで艶を均一に整えます。最後にシューツリーを入れて一晩かけて自然乾燥させてください。

合成スパイク(人工・合成皮革)の場合


ブラシで泥を落としたら、革と同様に弱酸性泡をスタンプして汚れを浮かせ、乾いたクロスで拭き取ります。合成皮革は多量の水分に弱いので丸洗いは避け、アウトソールのこびりつきを軽くシャワーで洗い流す程度に留めます。陰干しは必須ですが、直射日光は避けてください。乾燥後はコーティングの滑りを保つために、専用のシリコーンスプレーを薄く吹きかけると良いでしょう。


保管は通気を重視して“立てて”収納


帰宅後の応急処置と週末ケアを経たスパイクは、できる限り空気にさらして保管します。平置きするとソール裏に湿気が溜まりやすいので、ブックエンドやスパイクスタンドを使い、スタッド面を下にして立て掛けましょう。クローゼット内は乾燥剤を入れ、月に一度は天日で乾燥剤を再生すればカビとにおいを大幅に防げます。


除菌・消臭は〈レザーウォッシュ〉でまとめて


泥汚れだけでなく、汗や土埃に含まれる雑菌・臭気にも対処したい場合は、弱酸性泡クリーナー〈レザーウォッシュ〉が便利です。以下の利点があります。

  • アルコールフリーで革スパイクにも合成スパイクにも安心
  • 泡の色変化で汚れ落ちを視覚化
  • 除菌・消臭・抗菌効果で汗臭や土のにおいをリセット

使い方は、泡をクロスに1プッシュし、アッパーを軽く撫でて10秒後に拭き取るだけ。親子で「泡が灰色になるまでね!」と楽しみながら行うと、ケアが習慣化しやすいです。


なぜお手入れがパフォーマンスに直結するのか


スパイクのグリップ力は、摩擦とアッパーの柔軟性が合わさって生まれます。泥を放置するとアッパーが硬化し、足裏の感覚が鈍くなってトラップが弾きやすくなるため、技術の向上にも影響が出ます。逆に清潔で柔軟性のあるスパイクは、本人の自信を後押しし、練習へのモチベーションアップにもつながります。つまり親がケアに時間を割くことは、「子どもの才能を引き出す投資」と言えます。


まとめと次への一歩


  • 1.革スパイク(天然皮革)は泡乳化→拭き取り→クリーム塗布→シューツリー保形
  • 2.合成スパイク(人工・合成皮革)は泡クリーニング→拭き取り→陰干し→シリコーンスプレー
  • 3.毎日15分の応急処置と週末30分の徹底ケアでトラブルの大半を予防
  • 4.保管は立て掛け&乾燥剤で通気と防カビ
  • 5.〈レザーウォッシュ〉で汚れ・除菌・消臭を一気に解決

以上を親子で楽しみながら実践すれば、次の練習も安心してグリップを信じて走れるはずです。今日の汚れは今日のうちに卒業させ、ピッチで最高の一歩を刻んでいきましょう。